腰椎椎間板ヘルニアとは
背骨には24個の骨があり、その椎骨の間には椎間板というクッション材があって骨に与える衝撃を和らげています。椎間板ヘルニアは、椎間板が飛び出して背骨をスムーズに動かせなくなって神経根を圧迫することで痛みなどが生じる疾患です。20~30歳代という若い世代に多く起こりますが、幅広い年代に発症する可能性があります。
腰痛の中でも椎間板ヘルニアは手術が必要なケースが珍しくないため、不安に思われている方が多い疾患です。だたし、近年になって日帰りで受けられる安全なPN法といった手術が登場し、身体的・時間的な負担が大幅に減少しています。まだこの治療法を導入している医療機関が少ないのですが、当院ではこうした日帰り手術をいち早く取り入れています。もちろん、精密な検査や正確な診断により、従来の治療法などを含め、最適案治療法をご提案していますので、腰痛がありましたら、まずはご相談ください。
当院では、まず問診で痛みが起きた時期や強さ、どんな時に起こるか、そして日常生活への影響についてもうかがいます。その後、症状が起こっている部位の視診や触診、感覚や動作などに関する検査、筋力や神経系の検査などを行います。骨や関節の状態を調べるためのレントゲン検査、超音波検査、MRI検査などを行う場合もあります。
よくある症状
こんな症状があったら、受診しましょう
- 腰痛に加え、お尻・太ももの裏側・太ももの外側・ふくらはぎ・足の裏・足の指などに痛みやしびれがある
- 痛みやしびれで歩行に支障がある
- 屈もうとした時に痛みやしびれが強くなる
- 上体を後ろにそらすと痛みやしびれが生じる
- 太ももやふくらはぎ、足がだるい・重い・冷える
- 立っているのがつらい
- 立ったまま靴下やズボン、パンツを履けない
- 足首が思うように動かない
- 足の筋肉が落ちてきた
- 両足の太さが違う
歩行困難や立っているのもつらい状態、そして前屈と上体を後ろにそらす両方で痛みやしびれが生じている場合には、すみやかに受診してください。
日常生活での注意点
症状の悪化を防ぐために、日常生活の中で次のようなことに気をつけましょう。
睡眠時
膝の下に枕やクッションを当てるなどして、膝を軽く曲げて寝ましょう。
起床時
手をついてゆっくり起き上がるようにしましょう。
洗顔時
前屈みになると痛みが強くなる場合には、膝を曲げるようにして負担を分散させましょう。
着替え
無理して立ったまま着替えるとバランスを崩して転倒し、悪化させる可能性がありますので、靴下などはイスに腰掛けて履きましょう。
座る時
足を投げ出して座ることと、あぐらは避けてください。また腰が沈みこむようなソファやクッションも避けましょう。
動作
できるだけ前屈みになることを避けてください。床のものを取る際には、膝をついて姿勢を低くしてから取ります。また、上半身をひねって後ろのものを取るなど、無理な姿勢を取らないようにしましょう。
くしゃみや咳
強い衝撃が起こらないよう、控えめなくしゃみや咳にとどめましょう。
デスクワーク
長時間座り続けず、こまめに休憩を入れて立ち上がり、ストレッチしましょう
トレーニング
腹筋のトレーニングは腰に過度の負荷を与えることがよくあります。トレーニングをする場合には、受診した上で、適切なトレーニング方法の指導を受けて行ってください。
腰が痛い時の対処法
それほど痛みが強くない場合ですぐに受診できない時には、受診するまでできるだけ安静に過ごします。横になって痛みが和らぐ姿勢を探してください。コルセットやサポーターなど腰痛ベルトで症状が緩和されることもありますが、痛みがなくなっても無理をしないようにしましょう。そしてできるだけ早く時間を作って、当院へお越しください。